【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】民のために尽くしてきた

スポンサーリンク

この場所に立つと、余を一心に見つめる民たちの顔がよく見える。

 

側に控えた大臣が、詔を読み上げはじめた。

 

余は帝として、民のために尽くしてきたつもりだ。

 

親とはぐれて泣きじゃくる幼子を城にかくまい、

 

水を飲ませて落ち着かせた事がある。

 

ある時は、民を守る騎士に、褒美として剣を授けた。

 

またある時は、貧困にあえぐ乞食に、打ち出の小槌を与えた。

 

寒空の下、一家総出で働かねばならぬ親子の家に暖かいものを届け、

 

その場で全員に休暇をくれてやった事もあった。

 

詔を読み終えた大臣から、民への号令を求められた。

 

我が国と民に幸あらんことを。そう告げた。

 

目を閉じると、余が施しを与えた民たちの顔が浮かぶ。

 

あの幼子。騎士。

 

乞食。家族たち。

 

みな一様に笑顔である。

 

帝よ共に語らわんと言うかのように、手招きを

 


ぐげ

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『目を閉じると、余が施しを与えた民たちの顔が浮かぶ』

『帝よ共に語らわんと言うかのように、手招きを』

目を閉じたのに、手招きしているところから、

施しを与えた民たちはすでに死んでいると思われる。

 

つまり、帝は

 

幼子に水を飲ませて落ち着かせた=溺死させた

騎士に褒美として剣を授けた=惨殺した

貧困にあえぐ乞食に打ち出の小槌を与えた=撲殺した

親子の家に暖かいものを届け、その場で全員に休暇をくれてやった=放火し焼死させた

 

ということを行っていた。

 

最後はクーデターが起こり、

帝は「ぐげ」と殺されてしまった。