【意味怖】意味がわかると怖い話まとめ

【意味怖】意味がわかると怖い話を読んで頭の体操を!捉え方は人それぞれであり、答えは一つであるとは言えません。解説も答えではなく、一つの捉え方。あなたがどう捉えたかを教えていただけると幸いです。


【意味怖】但馬くん

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同窓会の席で、僕の隣に座っている洋子がこう切り出した。


「ねぇ、但馬幸平って覚えてる?」


その名前を聞いた瞬間、

 

懐かしい思い出がよみがえってくる。

 

但馬くん・・・ 彼は6年生の途中から転校してきた。


それまで誰ともしゃべらなかった僕に、

 

いつも話しかけてくれた。


休み時間には、学校の七不思議、

 

先生たちのあだ名、クラスの女子たちの品評・・・。


話題が尽きることは無かった。


授業中、二人で窓の外を眺めながら、流れる雲のかたちを見て、


「あれは○○君に似てる あの形は先生の輪郭ソックリ!」


とヒソヒソ話しては、二人でクスクス笑いあったりしたものだ。


それから、まだまだ思い出はある。


今まではただ退屈だった運動会や遠足も、

 

彼のおかげで楽しく、懐かしいものとなった。

 

ただ・・・彼は少し変わっていた。


それまでどんなに楽しく話していても、

 

他のクラスメイトから何かを言われると、


急に険しい顔になって押し黙るのだ。

 

・・・何を言われてそうなっていたんだっけ・・・。

 

などとボンヤリ考えていると、


洋子の向かい側に座っている田中が身を乗り出し、しゃべり出した。

 

「おお、覚えてるよ。あいつ、少し変わってたよな。」


「やっぱり?気味悪かったよね。」

 


「あいつ、いつも一人でブツブツしゃべってたよな。
一体何と話してたんだろうな…」

 

 

【解説】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

但馬くんはいつも語り手と話していたはずなのに、

『あいつ、いつも一人でブツブツしゃべってたよな。
一体何と話してたんだろうな…』

と言われている。

 

つまり、但馬くん以外には語り手が見えていなかったことになる。

 

果たして語り手は何者なのだろうか?

 

同窓会の席での話なので、

語り手は成長していることになる。

 

語り手が幽霊だったとしても、

そこにいるのが当たり前のようになるのだろうか…?

 

それとも、その場にいるにも関わらず、

存在が認識されないほど影が薄いのか…?

 

洋子が隣に座っているのにいることに気が付かないほど…?

 

語り手は本当に何者なのだろうか…