12月末にもなるとさすがに足元が寒くなり、
俺は部屋にこたつを出すことにした。
次に俺はやはりこたつにはみかんが欲しいと思い
あらかじめ買っておいたみかんをテーブルの上においた。
俺がみかんを食べようとみかんに手を伸ばしたとき、後ろの方で小さい音がした。
物が倒れた音だろうと思ったが、一応確認しようと、
俺はこたつから出て音が鳴った方へ行った。
案の定、本棚の本が少し傾いただけだった。
俺はこたつに戻り、テーブルの上にあったみかんの実を食べた。
【解説】
みかんに手を伸ばしてから、
その場を離れたはず。
となると、いつみかんをむいたのか?
ということになる。
侵入者がいたとしても、
丁寧に皮だけむくのもおかしな話だし、
一体誰が…?
それとも『みかんの実』というのは、
そもそも”皮付きのみかんそのもの”を指すのだろうか?
「実になった」と言うだろうし。
皮のままのみかんを指しているのだとしたら、
この語り手は皮ごとみかんを食べていることに…。