俺の親友が死んだ。
彼は部屋でギターを抱えたまま、ギターのケーブルで首を吊っていた。
その傍には「俺は死にたい」と何回も書かれたメモが置いてあった。
「ああ、やっぱりか」と俺は思った。
彼は誰よりもネガティブな歌詞を書いて、それを歌っていた。
俺は彼の歌が好きだったが、他の連中は彼をあまりいい目で見ていなかった。
音楽サークルの中で彼はかなり浮いた存在で、人間関係でうまくいってなかったと思う。
当然、警察は自殺として処理をした。
それからしばらく経って、彼の49日にサークルの一部の人で歌を送ろうという話になった。
俺は彼の遺書に対するアンサーソングを作ろうと思った。
俺は親友をなくしてから空虚な毎日を送っていた。
そのせいか、気付いてみれば「俺も死にたい」とばかりノートに書き連ねていた。
彼が最後に押さえていたコードは何だっけ?
あの手の形は…ConGか。
今思えば、あれは遺書ではなく歌詞だったのかもしれない。
俺はそんなことを考えつつ、コードに合わせて歌ってみた。
その瞬間、俺は殺された。
【解説】
ConGとは?
ベース音をGにして、Cコードを弾く、という意味。
6弦をソ、5弦をド、4弦をミ、3弦をソ、2弦をド、1弦をミ
ということらしい…。
(ギターなど楽器についてはよくわからないので、調べてみました)
ソ ド ミ
So Do Mi
So Do Me
(それなら私にして下さい)
『俺は死にたい』
『遺書ではなく歌詞だったのかもしれない。』
ということは、
『それなら私にして下さい』
↓ ↓ ↓
『それなら私に殺して下さい』
という歌詞とコードが連動したものだったのかもしれない。
つまり、呪いの曲だったと言えるだろう。
『アンサーソング』
ということから、親友の曲とは別の曲であるため、
歌詞とコードので連動が呪いの発動キーになる、
ということで良いのかな。
『遺書ではなく歌詞だったのかもしれない。』
ということと、呪いかもしれないということから、
親友は自殺でない可能性がある。
語り手も最後には殺されてしまっているため、
親友と同じ形で死んでしまっているだろう。
すなわち自殺と片づけられてしまうはずである。
それにしても、演奏する曲によっては、
ConGでも「ソ・ド・ミ」にならないとかなんとか。
そういうのも含めた上で
呪いをかけているのかな?
このネタを出したのは良いものの、
楽器についてわからないのが完全に致命的でした…。